法事は亡き人を縁として、いま生かされている生命の尊さをかみしめつつ、故人も我も共にすくってくださるその仏恩にご報謝のおつとめとして行います。その中で自分がどのように生くべきかを自分自身に問い、 自己を見つめなおし、自己を取り戻す良きご縁でもあります。
私たちは、 日常年をとることも忘れ、煩悩いっぱいの中であくせくと生き、自分自身が死に向かっているという現実から目をそらして生きていますが、ご法事は、あらためて現実というものに目を向けて、自分自身を取り戻す人間回復の良いご縁であります。 せめてこの日一日くらいは、自己について問い、みんなを必ず救わずにはおれないとお働きくださる仏様のお話を心静かに聞かせていただきましょう。
また、年回法要というのは、故人と縁につながるみんなでつとめるのが本来 のあり方ですから、記念品、会食などの主催者の出費を 考えて、なるだけ主催者側の負担が少なくてす むような心使いも大切です。